骨董測時器
美しい木彫りの台座に挟まれた、
ガラス製の器。
その、ほのかに温かい器を傾けると、
ガラスの中で、聞き取れないほど
僅かな音をたてて、
海岸色の砂が、サラサラと
下に流れてく。
高級品の威圧感も、
心を追い立てる、正確さも、
不安を煽る秒針の音もなく、
静かに、ただ静かに、
時の流れを魅せる。
それは、とても廉価な、砂時計。
いまや、誰も見向きもしない、
忘れ去られた、砂時計。
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美しい木彫りの台座に挟まれた、
ガラス製の器。
その、ほのかに温かい器を傾けると、
ガラスの中で、聞き取れないほど
僅かな音をたてて、
海岸色の砂が、サラサラと
下に流れてく。
高級品の威圧感も、
心を追い立てる、正確さも、
不安を煽る秒針の音もなく、
静かに、ただ静かに、
時の流れを魅せる。
それは、とても廉価な、砂時計。
いまや、誰も見向きもしない、
忘れ去られた、砂時計。
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たとえ、空がどんよりと、
灰色の手をひろげていても、
降りてくる雪は、いつだって透明。
美しい結晶の集合は、
いずれ、ほどけて、空へと還る。
たとえ、気分が曇っていても、
外にでる言葉は、いつだって透明。
そういう自分で、いられたら、
心の氷も、いずれは、とける。
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